中世になると全国各地で陶器の生産が盛んになります。神奈川県には渥美・常滑・瀬戸(愛知県)・備前(岡山県)などで生産されたものが多く持ち込まれました。貯蔵のための甕(かめ)など、大型のものは渥美・常滑。食器など小型のものは「かわらけ」と呼ばれる土器や漆器などに加えて、瀬戸で生産された陶器が多く使われました。
かわらけは、武士たちの宴会などで多量に使われることが多く、使い捨てにされる性格を持っています。主にその土地で生産され、廃棄までの時間が短いため、考古学では、地域性や時代による形の変化に特に注目しています。
身分の高い階層では中国や朝鮮半島から輸入された磁器も使われます。磁器を生産する技術はまだ日本にはなく、瀬戸では磁器の形を真似た陶器を作っています。

1.甕　常滑　14世紀　鎌倉市下馬周辺遺跡

2.灰釉瓶子(かいゆうへいし)
瀬戸　13世紀　鎌倉市下馬周辺遺跡

3.灰釉底卸目皿(かいゆうそこおろしめざら)
瀬戸　13～14世紀　鎌倉市下馬周辺遺跡

4.青磁鎬蓮弁文碗(せいじしのぎれんべんもんわん)
中国　13世紀　鎌倉市下馬周辺遺跡

5.かわらけ　14世紀　鎌倉市極楽寺旧境内遺跡馬場ヶ谷やぐら群

6.かわらけ　14世紀　鎌倉市極楽寺旧境内遺跡馬場ヶ谷やぐら