縄文時代は、日本列島で土器が出現してから、本格的な稲作が始まるまでの、1万年に及ぶ長い時代です。氷河期の終末と温暖化など世界的な気候の変化の中で、変動する自然環境に適応しながら狩猟、採集、漁労などによって食物資源を得ていました。
住居は2~3基など少数で構成される集落と、数十基から100基以上のまとまりをもつ大きな集落があります。相模原市緑区の川尻中村遺跡は環状集落の典型例です。中期中葉から中期末葉にかけて継続するため時間的な幅もありますが、集落の約半分の発掘調査範囲でも98基の住居跡が中央の広場を土坑群と住居群が取り囲みます。
縄文時代草創期・早期・前期と遺跡数は、増加しつつありますが、中期にそのピークを迎え、後期にかけて減少していきます。後期後半以降での遺跡数は激減することから、気候の急速な冷涼化などの影響が考えられます。
伊勢原市 子易・大坪(こやす・おおつぼ)遺跡
伊勢原市 西富岡・向畑(にしとみおか・むこうばた)遺跡
相模原市緑区 川尻中村(かわしりなかむら)遺跡