建物 山下居留地遺跡
山下居留地遺跡の48番地では、切石による建物基礎や切石造りの地下室・煉瓦造りの地下室、井戸・排水桝などが発見されています。それぞれの施設は敷地内に整然と並んで配置されていますが、時期は幕末から明治・大正期まで複雑に重複しています。
山下居留地遺跡 48番地建物跡
地下室の壁は、凝灰岩などの石材を用いた切石造りの重厚造りのもので、出入口を2個所備えています。出入口階段部分の石材を見ると耐久性のある堅い安山岩が、主階段を登り切った床面には御影石が使われています。地下室の東壁には、煉瓦造りの暖炉が設けられています。暖炉は著しく崩壊しており、奥壁部周辺のみが残っていました。赤煉瓦を用いた構造で、燃焼部には「YOKOHMA」の刻印を持つ白煉瓦(耐火煉瓦)を組んでいます。
8番地建物跡 地下室
便所跡
山下居留地遺跡では、便所跡が複数発見されています。便槽に甕を据えたものは江戸時代のものとほぼ同じ構造のもので、2基が近接して並んでいます。煉瓦造りの便槽は長方形で、底面には磁器製の便器が出土しました。便槽からは、銭貨や根付などの落とし物が発見されました。
山下居留地遺跡
55番地便所
山下居留地遺跡
55番地便所跡 便器出土状況
山下居留地遺跡
55番地便所跡 煉瓦造りの便槽
山下居留地遺跡
便所出土便器 陶器製染付角形便
山下居留地遺跡 便所出土便器
陶器製小判形便器