江戸時代からつづく、造り酒屋の跡を発見
河原口坊中遺跡は、相模川東岸の自然堤防上に立地しています。周辺は、江戸時代の大山詣でにぎわった「矢倉沢往還」の街道筋にあたり、「厚木の渡し」で相模川を渡船で渡っていました。
この河原口には、江戸時代後期に創業したと考えられている造り酒屋「山田酒造」があり、今回の調査区はちょうどその部分にあたります。調査ではレンガ造りの煙突の基礎部分や半地下施設、カマドが発見され、酒造施設の一部が残っていることが明らかとなりました。
河原口坊中遺跡 酒造施設
この酒造施設の文献資料は少なく詳細は明らかではありませんが、創業は江戸時代後期の可能性が高いと考えられます。明治期の銅版画が残されており往時を偲ぶことができます。この銅版画には、酒造りに関する製造工程の各施設の名称や位置など作業の様子が克明に表現されています。
神奈川県相模国高座郡海老名村河原口山田嘉穀邸宅銅板