長柄桜山古墳群は、逗子市桜山と葉山町長柄の境にある丘陵上に位置する、2基の古墳で構成されている古墳群です。平成11(1999)3月に、新たに発見されました。2基とも4世紀後半の築造で、現存している神奈川県内の古墳では最大級の規模を誇ります。平成14(2002)12月に国の史跡に指定されました。
第1号墳は、全長91.3mを測る前方後円墳です。墳丘は後円部3段、前方部2段に造られており、後円部と前方部の比高差が大きい前期古墳の特徴を持っています。丘陵の岩盤を削り出した後、その上に1.5mの盛土を施しています。後円部には、長さ約7m、幅約1.6mの落ち込みが確認されており、脇から祭祀に使われた土器が見つかっています。
第2号墳は、全長88mを測る前方後円墳です。後円部と前方部の比高差があまりなく、前方部は幅広となっています。古墳の表面には、川原石や丘陵岩盤の泥岩を用いて葺石(ふきいし)が施されています。
長柄桜山古墳群からは、壺形埴輪が出土しています。墳頂部の縁辺に並べていたものと見られます。長柄桜山古墳群出土の壺形埴輪は、壺を模倣して作っていますが、底に孔が開いた形状をしています。全体的な形状を見ると、口縁部は緩やかにラッパ状に開いています。胴部は長胴気味で、肩部の張りは弱い作りをしています。底部は粘土紐を輪状につくり、そのまま積み上げて作っています。