津久井城跡 馬込地区(相模原市)

 遺跡は、相模原市緑区(旧城山町)に所在し、その頂きに中世戦国期の津久井城が築かれた城山の東麓に位置しています。遺跡の東側には串川が流れ、比高差およそ50mにも及ぶ深い谷が刻まれ、その対岸には環状礫群で話題となった小保戸遺跡や大保戸遺跡が存在します。また、北東に隣接する一段下がった段丘面には、槍先形尖頭器やナイフ形石器、細石器が出土した小倉原西遺跡があります。


遺跡遠景(東から)

 馬込地区の第6文化層は、相模野基本層序に対比するとB4層中部の3万年以前に相当します。ブロックと呼ばれる石器の集中地点がA~Gの7ヶ所確認されました。ここではA~Fブロックがドーナツ状に分布し、Gブロックが中央部に位置する、この時期に特徴的な環状ブロック群が捉えられました。


馬込地区第6文化層の石器出土状況(真上)

 各石器集中地点(ブロック)では、石器の出土状況や、出土した石器の接合作業などから、原石が遺跡に持ち込まれ、盛んに石器製作されていたことが分かります。


Aブロックの石器出土状況(北東から)

 A~Cブロックでは、主に石斧の製作が行われていたようです。中には、写真のように打ち割られた石器を接合していくことによって、石斧がどのように作り出されたのか復元できる資料もありました。ここでは、扁平に打ち割られた礫を更に分割して得られた大きめの剥片を素材とし、形を整えながら周囲から打ち割って石斧を製作しています。


石器の接合資料

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